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2018/05/30

積極的に神経を残す!

歯が長く残るための大事な条件の1つとして

 

歯の神経が活きている

 

があると私は考えています。

 

神経をとった歯でも咬む感覚は変わりませんので、

今まで通りに咬むことができます。

 

ですので一般の方はほとんど気付きませんが、

 

「神経が活きている歯」と「神経をとった歯」では

 

歯の寿命には大きな差が出ることが多いと実感しています。

 

 

以前は虫歯が神経まで達していると歯の神経を取らなければいけないことが良くありました。

 

私は歯の神経の有無がその歯の寿命を大きく左右するので

 

極力歯の神経を残したいと考えています。

 

 

図1

 

写真の左側の歯は穴は開いていませんが、歯の溝から歯の内側で大きく内側で虫歯が進行していました。

 

患者さんは痛みなどの症状は感じていませんでした。

 

溝の部分を削って中を見てみますと歯の深いところまで虫歯が進行して真っ黒です。

 

このまま虫歯を取りきると神経が露出して、神経を取らないといけなくなる可能性がある旨を説明し、

 

神経を残すトライの治療を行いました。

 

図2

唾液からの細菌が入ってこないように、無菌的に治療を行うために

 

「ラバーダム」といって歯にマスクをかけます。

※この写真は別の歯の治療のときの写真です。

 

図3

 

マイクロスコープと虫歯検知液を用いて虫歯を全て取りきりましたが、

 

2箇所で神経が露出しました。

 

ここまで虫歯が深いと神経を取らないといけない可能性は低くありません。

 

ここからが神経を残す可能性を高めるトライの治療です。

 

 

 

図4

 

部分断髄といって上の部分の神経を少し切り取り、

 

その部分に『MTAセメント』をいう材料を充填します。

 

このMTAセメントが神経を残す可能性を高めてくれます。

 

 

図5

 

そのMTAセメントの上にさらにすぐ固まるタイプのMTAセメントをひいて

 

図6

 

その上を収縮率の低いコンポジットレジンという樹脂を穴をふさぐように充填していき仮の蓋とします。

 

これで終了です。

 

この後は経過観察して、神経が残せると判断したのちに仮の蓋を最終的な修復物に置き換えます。

 

この歯はこの後痛みもなく、神経を無事残すことができました。

 

ただこの治療で全ての神経が残せるわけではありません。

 

治療後すぐにズキズキするような自発痛がでて引かない場合は、神経内部まで虫歯の細菌が感染しており、神経を取らないといけないと判断します。

 

痛みの出現のタイミングはケースによって幅があります。

 

神経からの出血を止血しやすいケースや、もともと痛みのないケースのほうが神経が残せる可能性が高いと実感しています。

 

 

図7

 

こちらの患者様は痛みを訴えて来院されました。

 

歯の矢印の部分を見ても穴は開いて見えませんが、レントゲンで確認すると大きく深い虫歯を確認しました。

 

 

図8

 

同じ治療で神経の保存をトライしました。

 

ラバーダムをして、マイクロスコープを虫歯検知液で虫歯のみを取りきります。

 

 

図9

 

虫歯を取っている途中で神経に達してしまい、その瞬間に中から多量の出血を認めました。

 

痛みがあるときの方が神経の炎症が強く、出血傾向が強いようです。

 

虫歯を取りきり、止血を行い、

 

 

図10

 

MTAセメントで穴を封鎖しました。

 

この歯も経過は良好で、神経を残すことが出来ました。

 

 

 

歯の寿命を伸ばすために神経を残す

 

今後もこのテーマにこだわって

 

神経の大切さを患者様にしっかりお伝えして

 

診療に当たっていこうと思います。

 

※こちらの治療は保険外治療になります。

 

 

 

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