歯周病

歯周病の治療

「汚れを除く治療」が主体

歯周病は細菌による感染症なので、細菌の堆積物であるプラークが1番の原因です。
そこで、治療は大元の原因であるプラークや歯石を取り除く「歯周基本治療」に主眼を置きます。これは患者さん自身が行う「セルフケア(ブラッシング)」と歯科医院で行う専門的な「プロフェッショナルケア」がセットになっています。
プロフェッショナルケアを中心に、歯周病の原因や、修飾因子(虫歯、合っていない詰め物、咬み合わせ)を1つ1つ取り除く治療全体が「歯周基本治療」です。歯周基本治療は、歯肉炎の段階も、中等度以上、あるいは重症に進行している人にも共通する治療です。

歯周治療の流れ

①検査 プロービング、歯の動揺度 歯周ポケットの深さと出血の有無を調べる
口腔内写真検査 治療前後の比較も含め、記録資料
エックス線(レントゲン) 肉眼で見えない歯槽骨を調べる
歯垢の付着 染めだし剤で歯垢を染めだして調べる
咬み合わせ、模型診査 歯にかかる過重負担の問題等を調べる
唾液検査 唾液の量、歯周病菌の種類、数
②診断 歯肉炎 歯槽骨の吸収はなし
軽度歯周炎 歯周ポケットの深さ4~5ミリ
中等度歯周炎 歯周ポケットの深さ5~6ミリ
重度歯周炎 歯周ポケットの深さ7ミリ以上
③治療 プラークコントロール ブラッシング指導
スケーリング・ルートプレーニング 機械的にプラーク、歯石を除去する
習慣の改善 喫煙、口呼吸、歯ぎしり、生活習慣病
プラークコントロール阻害因子の除去 虫歯の治療、合っていない詰めもの、かぶせものを暫間修復
予後不良歯の抜歯  
▼炎症が無い場合▼
炎症が無い場合 PMTC
(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
歯科衛生士によるクリーニング
▼炎症が有る場合▼
炎症が有る場合
④歯周外科
フラップ手術 歯肉を切って歯周ポケットの深いところを直視して歯石を除去する
歯周再生外科 フラップ手術に、歯周組織の再生を促す手順、材料を併用する。
歯周形成外科 プラークコントロールの妨げになる口腔内の形態を改善する
炎症が有る場合は、④の後再検査
具体的な治療の進め方

治療の流れを上の図に示しました。
歯肉炎や軽度の歯周炎ならプラーク、歯石を取り除くプロフェッショナルケアを主体にした「歯周基本治療」だけで治ることもあります。
②治療後の再検査で改善を確認したのちに数カ月に1度、定期的に検査と清掃を行う「メインテナンス」に進みます。

一方、④再検査後に、ポケット内にたまった歯石やプラークが残っていることを確認した場合は、⑥「歯周外科」を行います。
歯周外科のメインは「フラップ手術」です。歯肉を切り開いて歯根を露出させ、歯根の表面に付着した汚れを取り除きます。その際、条件が合えば歯周再療法を併用することもあります。手術後、再び再検査を行い、改善が確認できれば「メインテナンス」に進みます。

大事な歯周病の検査

検査は「診断・治療計画の作成」「治療の効果判定」『再発予防』に不可欠

歯周病は口の中の状態を目で見てチェックする「視診」だけでは「本当に病なのか」「どの程度まで進行しているのか」といった情報は得られません。正確に状況を把握するには、検査が不可欠。検査結果に基づいて治療計画が作成されるばかりではく、「今後治療によってどこまで治せるのか」を予想する、貴重な資料になります。

検査の出番は、最初の診断時だけではありません。治療が始まると、「治療が効果を上げているかどうか」を検査でチェック、さらに治療が一段落したあとも定期的に検査をして「再発していないか」を確かめます。

歯周基本治療

繰り返しになりますが、治療の基本は「細菌のすみかになっているプラークや歯石を取り除くこと」まず患者さんの自身の毎日のブラッシングの「セルフケア」 が不可欠です。
しかし、セルフケアにも限界があり、歯の表面の汚れは取れても歯肉の中にまではブラシは届かず、少しずつ汚れがたまっていきます。歯肉の中のプラークは歯にこびりついて歯石になります。プラークができてから歯石になるまでは約2週間。歯石になってしまうと、もう自分では落とせません。歯科医院で取るしかないのです。
歯ブラシで取れない歯にこびりついた歯石や、歯周ポケット内の歯石を機械的にかき落とす治療が、スケーリング、ルートプレーニングです。

歯周外科治療

歯周外科治療は「手術」のこと。目的によって次の3つに分けられます。

1.フラップ手術
汚れの徹底清掃
2.歯周組織再生手術
溶けた歯槽骨を部分的に再生させる
3.歯周形成外科
見た目、歯肉の形態を改善する

「フラップ手術」はスケーリング、ルートプレーニングで取りきれなかった歯周ポケット内のプラークや歯石を、歯肉を切り開くことによって、しっかり取り去ります。歯根表面をきれいにし、歯周ポケットを浅くするための治療です。
歯槽骨が吸収されてしまっている場合は、歯槽骨の再生を促す「歯周組織再生手術」が追加されます。一方、「歯周形成外科」は歯肉が下がって歯が長く見えるようになってしまった場合や、健康な歯肉が失われブラッシング時に痛みを伴う場合などに、他の部位から歯肉を移植して、見た目、形態を回復する手術です。

再生療法ができない場合も
「歯周病になっても、今は骨の再生手術があるから大丈夫」と考えがちです。しかし、一般的に再生療法の適応となるのは中等度の歯周炎です。重度で歯槽骨の吸収が進み過ぎていれば、骨の再生はあまり期待できません。
また、再生療法は口腔内ですが、「手術」ですので、全身状態が悪い人は受けることはできません。また、喫煙する人はしない人に比べて歯槽骨が再生しにくいことが分かっています。

いい状態を維持するためには「メインテンス」が不可欠

歯周病の治療では、根気強く歯科医院に通院して良くなっても、「2ヶ月後にまた来てください」などと言われます。2ヶ月後の受信が終わると「じゃあ今度は4ヶ月後に」。。。いったいいつまで治療が続くのでしょうか?
症状が改善したら治療は一段落ですが、それで終わりではありません。歯周病は再発しやすい病気なので、口の中をずっと安定した状態に維持していくための「メインテナンス(定期健診)」を一生続ける必要があります。
メインテナンスの主な目的は、①再発の早期発見、②ブラッシングのチェックと指導、③リスクコントロール、④定期的なクリーニングの4つです。
どのくらいの頻度でメインテナンスするかは、口の中や、全身状態などによって変わります。通常は治療で歯周ポケットが2~3ミリになったら、2か月後に、状態が良ければ、次は4カ月後、さらに次は6カ月後というように、間隔をあけていき、そこからは安定した状態が続いても6カ月に1度はメインテナンスに通います。
糖尿病の人や喫煙者などの歯周病のリスクが高い人は、それよりももっと短い間隔でメインテンスをすることもあります。

メインテナンスが必要な根拠
1.再発の早期発見
歯周病菌をゼロにするのは難しく、プラークがたまってくれば容易に再発します。重症化を防ぐために、定期的な観察で再発をいち早く発見し、治療につなげることが大切です。
2.ブラッシングのチェック、指導
正しいブラッシング法の指導を受けた直後はそのとおりに磨けていても、時間が経つにつれて以前のクセが出て、磨き残しが増えてしまうことも少なくありません。定期的に磨き方をチェックし、必要に応じてブラッシングを再度指導します。
3.リスクコントロール
リスク因子には、咬みあわせの悪さや歯ぎしりのクセ、虫歯など、「口の中のリスク因子」と、不適切な食習慣や喫煙、ストレス、全身の病気など「全身的なリスク因子」があります。改善状況を定期的にチェックして、前者には治療、後者には指導や治療勧告を行う必要があります。
4.専門家による定期的なクリーニング
セルフケアでできることには限界があります。適切に磨いていても歯ブラシの毛先は歯周ポケットの奥深くまでは届かず、汚れがたまっていきます。定期的に歯科医院で除去することが必要です。
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