こんにちは。
今回は歯の寿命を延ばすために、倒れている歯を起こして環境を改善した治療をご紹介します。
検診希望の患者様が来院されました。
拝見しますと下の奥歯が前に倒れたままで銀歯が入っています。
奥歯が1本抜けた状態で長い期間経っていたため、奥歯が前に倒れてしまい、
その状態のまま部分的な銀歯を詰めた状態でした。
ご本人は特に違和感も不具合も感じていませんでした。
ですが、レントゲンを見ますと、
倒れた歯の前側の歯を支えている骨が歯周病で大きく溶けてしまっています。
歯が前に倒れているために、その部分にプラークが溜まりやすく、歯周病が進行しやすい環境です。
また、咬むと歯をさらに押し倒す方向に力がかかることも、歯周病を進行させる要素の1つです。
これ以上骨が溶けてると歯の寿命が短くなってしまいます。
さらに金属の詰め物の下に虫歯が再発しています。
この倒れている歯の寿命を延ばすために大切なことは
①細菌のコントロールと
②歯にかかる力のコントロールです。
つまり、
①歯肉の中にいる細菌を除去し、溶けてしまった骨を可及的に再生させ、プラークコントロールしやすい環境に改善し、常に清潔に保つことと、
②咬んだ時に歯を押し倒す方向の力がかからないようにすることです。
この2つを達成するために、倒れている歯を起こす必要がありました。
むし歯の治療を行い、
骨が解けている部分に歯周再生外科を行った後に、
歯を起こすための部分矯正治療(アップライト)を行いました。
今回はアップライト用のミニインプラントを用いました。
歯を起こす期間は3カ月間でした。
歯を起こした後はセラミックを用いたブリッジで嚙み合わせを回復しました。
歯の寿命を延ばすために大切なことの1つに
口腔内の環境を整えることがあります。
歯肉の状態を健康な状態に整える。
個々の歯の状態を整える。
むし歯などの問題を治療する。(精密な治療と歯にとってよりよい材質)
歯にかかる力の問題を整える。
そのために嚙み合わせを整える。
短時間や短期間では終わりませんが、
結果的に患者様の歯が長持ちして、健康に咬める時間が長くなることを目指して
今後も適切な医療を提供したいと思っております。
関連したブログはこちら
https://maryshika.com/blog/582
©Machida Mary Dental Office